世界大手会計事務所デロイトのグローバルチェアマンを務めるデビッド・クルクシャンク氏はこのほど、『経済日報』の記者に対し、「第13次5カ年計画(十三五、2016-2020年)」の実行で、世界の企業や投資家に対する中国の魅力が高まるとの見方を示した。インタビューの内容は以下の通り。
■現在の中国経済情勢について
中国経済はここ数カ月に変化が生じ、アジア経済、ひいてはグローバル経済と市場に大きな影響を及ぼした。中国経済の成長が減速するなか、隣接するアジア経済も相応の調整が必要な上、中国と密接な関係を持つその他の国も対処すべきだ。例えば、中国への資源輸出に頼ってきた国は、ポジションや輸出構造の見直しが必要になるだろう。一方、良い点としては、中国経済の新常態(ニューノーマル)が消費とサービス産業の需要を生み出す可能性があること。中国がどのように新たな経済成長の段階を進んでいくのかが注目される。
■向こう5年にわたる成長の見通しについて
「十三五計画」が順調に実行されれば、中国は中高所得国となるだろう。「中所得国の罠」を乗り越えることは、中国の13億人にとって大きなマイルストーンと言える。中国経済の粘り強さとなる最大のアドバンテージは、経済成長を支える大規模な資源を有することで、それは「十三五計画」の内容にも見出すことができる。また、中国の消費者は債務水準が非常に低く、購買能力が高いことも好材料。消費だけで国内総生産(GDP)成長率にして3-4%の貢献が可能だ。