中国人民銀行(中央銀行)のまとめによると、2016年3月末の中国の外貨準備高は3兆2125億8000万米ドルと、昨年11月から初めて増加に転じた。2月末の人民元外国為替先物予約のロング・ポジション(買い持ち)は24億3800万米ドル、ショート・ポジション(売り持ち)は289億米ドルだった。
中国の外貨準備が小幅に減少していた時も、約290億米ドル規模のショート・ポジションは触れるに値しない。人民銀は、先物為替契約の満期日が到来した後も、実需に応じてヘッジ効果のある先物商品を提供し続け、企業が合理的に為替リスクを回避できるようサポートする方針だ。
今年に入ってから、人民元をはじめとしたアジア通貨の空売りが声高に議論されているが、2015年8月から2016年3月末にかけて、人民元は対米ドルで約3.7%下落したに過ぎない。最近の人民元の大幅反発を背景に、大手ヘッジファンド数社は、人民元の空売り、すなわち人民元が対米ドルで将来的に値下がりするという判断に賭けた「ショート・ポジション」の取引で大きな損失を出した。