日本の1人あたりGDPは1972年に一つの基準とされている1万1000米ドルを超えたが、米国の72%に相当するレベルだった。1992年に台湾が1万1000米ドルを超えた当時、1人あたりGDPは米国の48%。一方、足元で中国の1人あたりGDPはまだ米国の30%前後にとどまっている。
2010年に亡くなった英国の経済学者、アンガス・マディソン氏は08年にまとめた人生最後のデータによれば、中国の1人あたりGDPは米国の21%だった。ほかの東南アジアの国・地域の1人あたりGDPが類似水準に達した後の推移を参考すれば、中国経済の潜在的な成長力を試算できる。
日本の1人あたりGDPは1951年に米国の21%に達した。その後の20年間にわたり、日本経済は年率9.2%のスピードで成長。シンガポールがこの水準になったのは1967年。その後の20年間の平均成長率は8.6%。中国の台湾地区、香港地区、韓国も似たような状況だ。1人あたりGDPが米国の21%に達した後の20年間はいずれも8%前後の経済成長を維持している。これらのケースを踏まえ、2018年までの中国経済がこのような潜在的な成長力を有していないと判断する理由はない。