足元の中国経済成長の鈍化は外部要因と周期的な要因によるもので、限界値に達したわけではない。中国はこれまで、2008年の金融危機、輸出需要の急激な縮小の影響を受けてきた。1979~2013年の輸出成長率は年平均で16.8%だったが、2014年は6.1%に低下。2015年にはマイナス1.8%まで落ち込んだ。
中国にとって目標達成のカギを握るのは内需。投資と消費だ。好運なことに、投資も消費も先行きが明るい。また、多くの発展途上国と異なり、中国は潤沢な財政力、世帯貯蓄、外貨準備を持ち、投資に活用できる。投資は雇用、世帯所得、消費の拡大を促す。
このため、外部環境が改善されなくても、中国にとって6.5%以上のGDP年平均成長率を達成するのは可能だ。また、中国は引き続き主な成長エンジンとして世界経済をけん引し、少なくとも2020年までは世界の経済成長への寄与度が30%に達する。(作者:元世界銀行副総裁・チーフエコノミスト、北京大学国家発展研究院名誉院長の林毅夫氏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月14日