英国メディアの『タイムズ』は16日、中国が15日発表した第1四半期の経済指標について、人々に安心感をもたらしたとの見解を示した。なかでも不動産市場の回復と投資の反発が、インフラ建設の伸びや、鉄鋼、セメント、ガラスなど大口商品の需要増につながったとしている。
3月の鉱工業生産は6.8%増と、アナリストの予想を大きく上回り、伸び率が9か月ぶりの高水準だった。小売売上高と固定資産投資の伸び率も同様に予想を上回った。
オーストラリアのシドニーにあるコモンウェルス証券でアナリストを務めるクレイグ・ジェームズ氏は、中国の経済指標について、「オーストラリアに限らず、世界中が一息つく結果だった」と指摘。「市場予想を上回ったことで、経済のリバランスが計画通りに進んでいることが示された。全体の数値が非常に高い水準だったため、向こう数カ月にわたり持続的な成長を保つだろう」と分析した。
キャピタル・エコノミクスのシンガポール駐在アナリスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は、「我々が発表している月次中国指数が少なくとも直近1四半期に安定してきたことで、より自信を深めた。このことは、経済がさらに下振れることを避けるための緩和策が効果を上げたことを示している」と述べた。「鉱工業生産と投資の急速な反発は、中国経済の成長がすでに底打ちし、反発に向かったとの希望を抱かせる。金融と財政の追加緩和策が、向こう数カ月の経済サイクルを上向かせるだろう」としている。