日本は「匠の精神」をどのように育ててきたか

日本は「匠の精神」をどのように育ててきたか。

タグ: 日本匠の精神

発信時間: 2016-04-22 17:33:33 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

▽質の高いブルーカラーが支柱

日本の企業関係者の一部からは、日本製品の精密さの追求は市場競争の激しさによる部分が大きいという声が聞かれる。激しい競争の中、質が高くなければ勝つことはできないため、企業はより精密で優れた製品を作らざるを得ない。つまり、日本は工業化時代の衝撃の中でも「匠の精神」を失わず、工業化時代の競争こそが「匠の精神」を育てたということだ。

「匠の精神」はブルーカラーに最もよく体現されている。早稲田大学の鵜飼信一教授は、「日本の企業の90%以上が中小企業で、そのうちの大部分は社員10人未満の零細企業だ。だが中小企業には日本の製造業を支える技術力のあるところが少なくない。小規模企業の戦いの武器は質の高い労働者だ。質の高い労働者が自主革新し、熟練度を向上させ、新しい機械設備に習熟し、新技術や新しい知識を学ぶことが、日本経済発展の重要な柱になっている」と話す。

日本ではブルカラーは「かっこいい」仕事で、肉体労働と頭脳労働で収入にそれほど差はなく、ブルーカラーの賃金は世界トップクラスだ。ブルーカラーは社会で尊敬され、ハイレベル技術の職人の月給は、一家全員を養うのに十分だ。こうした着実な物的基礎が後ろ盾となって、技術者は全身全霊で仕事に没頭し、新しい製品を絶えず生み出していく。

鵜飼教授は、「質の高い労働者でなければ付加価値の高い製品を生み出すことはできない。熟達した技術をもつ職人になるには、目先の利益にとらわれず、苦労を厭わず、技能を磨くために努力し学ぶ時間が必要だ。精密さを求める『匠の精神』と製造業の『労働者こそが創造者』であるという考え方は、日本の製造業の神髄だといえる」と話す。

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