三菱を例に挙げると、2000年に三菱自動車は安全に関する記録と顧客からの投書を故意に隠していたことが発覚した。三菱は4年後に事件はより広い範囲に広がるとともに、数十年にわたって続いてきたことを認めた。00年と04年には車両の欠陥の記録と顧客からの投書を隠匿していたことが発覚。また数十年にわたって日本の国土交通省に安全関連の報告をしておらず、欠陥のある車両の部品をひそかに修理・調整していたことがわかった。だが幅広く注目を集め、あちこちで論評されている中、今回ばかりは調査逃れは難しいとみられる。
また最近の事例をみると、14年11月にEPAと米司法省が、燃費性能を実際よりもよく見せかけているとして、現代自動車グループの「現代」と「起亜」の両ブランド車に民事責任の賠償金として1億ドル(1ドルは約107.0円)を科すとともに、監督管理の与信限度額2億ドルを撤廃した。このケースは当時、燃費偽装問題としては、米国政府が科した最高額の罰金額とされた。また両ブランドは内部のガバナンスに5千万ドルを投入するよう求められた。ともに米国で有名なブランドだ。
15年9月には、BMWの「X3」のディーゼル車が排ガステストで基準値を超過していたことが明らかになった。ADACドイツ自動車ドライバー協会の行ったテストでは、VWだけでなく、ルノー、日産、現代、シトローエン、フィアット、ボルボ、フォードなど複数のメーカーのディーゼル車も排ガスが基準値を超過していることがわかった。ドイツ連邦陸運局(KBA)がこのほどドイツのディーゼル車に対して行った排ガステストでは、VWグループがディーゼル車に違法ソフトを搭載した唯一のメーカーであるとの結論が出た。
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