一方で、以前から抱えている課題は抜本的な解決に至っておらず、一部で新たな問題も浮上している。経済の安定成長に向け、「投資けん引型」という従来の手法から脱却したとは言えず、一部の地域で財政収支の不均衡さが増し、経済リスクが発生する恐れが増大。特に、民営企業による投資の大幅な縮小、不動産バブル、生産能力の余剰、不良債権、地方債務問題、株式、為替、債券市場の変動、違反な資金集めといったリスクも拡大している。市場化が進まず、ローエンドン産業が集中し、産業構造が単一な地域では経済の下押し圧力は引き続き増している。
総合的に判断すると、中国経済は「U」字型、「V」字型ではなく、「L」字型のトレンドを辿っている。
ここで強調したいのは、「L」字型は一つの段階で、1、2年で終わるものではない。今後数年にわたり、総需要の低迷と生産能力の余剰が併存する局面を根本的に変えることは難しい。昔のように、経済が一旦上向けば上昇が続き、数年連続で高成長を維持することは現実的ではない。ただ、「一歩後退」は「二歩前進」のためだ。中国の先行きに我々は自信がある。中国経済は潜在力、強靭性が高い。刺激策を講じなくても、経済成長率が大幅に落ち込むことはない。一部の経済指標の上下で一喜一憂する必要はないと、肝に刻んでほしい。
中国網日本語版(チャイナネット)2016年5月9日