「当初は世間から競合相手とされている両機関、世界銀行とアジアインフラ投資銀行(AIIB)はプロジェクトに協調融資を提供する運びとなった--」。フランス通信社は先ごろ、ある報道でこのように伝えた。
1月中旬の開業以来、AIIBは業務を着実に推進し、幸先の良いスタートを切った。協調融資について世界銀行と枠組み契約、アジア開発銀行(ADB)と覚書を交わしたほか、欧州復興開発銀行(EBRD)などの金融機関との協力交渉も大詰めを迎えている。6月にも第1弾となるインフラ融資案件が承認される見通しだ。
設立準備段階から、AIIBは経営理念として「開放」と「包容」を掲げている。14年10月に設立の覚書が締結された直後に、中国は「AIIBは開放的かつ包容力のあるリージョナリズムを踏襲し、興味のある各国の積極的な参加を歓迎する。協力とウインウイン関係の構築を目指す」と表明。今年1月の開業時にも中国はこの理念を重ねて強調した。設立提唱、開業から、第1弾プロジェクトの承認を間近に控える今日まで、AIIBは「開放」と「包容」の理念を貫いできた。