中国証券監督管理委員会が先週、QFII(適格海外機関投資家)とRQFII(人民元適格海外機関投資家)の口座で保有される株式の権益問題に関する見解を示したことを受け、業界では中国のA株がMSCI指数に採用される可能性が強まったとの見方が広がった。MSCIは6月にA株の指数採用をめぐる検討結果を発表する予定で、これに対する市場の注目は再び高まっている。
A株が今年MSCI指数に採用される可能性は大きく、指数に採用されればA株の国際化は大きく進展する見通しだ。一方、採用が見送られ多場合も、A株市場にそれほど大きな影響を及ばないだろう。
MSCI指数への採用は、国内資本市場と国際市場をつなげ、A株の好材料となる大きな措置と考えられてきた。MSCI新興市場指数に採用されれば、グローバル投資家によるA株への注目度と関与度が上昇すると同時に、A株市場に新たな資金をもたらす可能性がある。
実際に政府当局は、MSCI指数への早期採用に向けて継続的に制度を改正し、資金流入の促進と投資家構造の多様化を図っている。2015年7月には中国本土と香港のファンド相互承認が始まり、海外投資家に新たな投資チャネルを開いた。2016年2月に国家外為管理局は新たな規定を発表し、QFIIの投資枠、為替管理、元本規制などを緩和した上に、QFIIプロジェクトを12都市から16都市へ広げ、QFII資金の参入ハードルを下げた。うち投資枠については、QFII1社当たりの投資限度額を緩和し、1社ごとに一律の投資限度額を撤廃。為替管理では、QFII投資元本の送金期限などを設けないこととした。
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一方、これまでMSCI指数に採用された国家をみると、採用までのプロセスが長く一般的には数年にわたり、当初の採用比率もそれほど高くはなかった。これを踏まえると、A株が今年MSCI指数に採用されることは良いことに違いないが、採用されなくてもネガティブな影響は及ぼさない。今後もA株の国際化ペースが保たれ、中国国内とグローバル市場の相互接続が進む見通しで、この流れを止めることはできないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月11日