中国人民銀行(中央銀行)が毎月開示している上海、深セン両市場の1日あたり売買代金の推移に顕著な変化が表れている。深セン市場の1日あたり売買代金は2カ月連続で前月を上回る一方、上海市場は増減まちまち。政策動向や、上海と香港株式市場の相互取引制度「滬港通」が正式にスタートする前の売買代金推移とあわせて分析すると、以下の2点が判断できる。一つは深センと香港株式市場の相互取引制度「深港通」の導入を見越して資金の移動が活発化していること。もう一つは「深港通」はすでに開通を間近に控えていることだ。
「深港通」をめぐる政策面の情報は各メディアが盛んに取り上げている。ここでは、上海、深セン両市場の1日あたり売買代金の推移に焦点を絞って分析していきたい。
中央銀行が開示した直近3カ月の1日あたり売買代金によると、◇4月は上海市場が9.6%減の2126億1000万元、深セン市場が3.4%増の3604億元、◇3月は上海市場が21.6%増の2350億9000万元、深セン市場が7.8%増の3486億6000万元、◇2月は上海市場が11.3%減の1934億元、深セン市場が8.6%減の2959億9000万元--。