中国社会科学院日本研究所の張淑英・研究員は、「日本の政府債務は何年も前から危険な状態にあったが、日本国民の貯蓄率の高さやデフレと超低金利、安全資産としての円買いのほか、日本政府の財政再建公約などを背景に財政破綻を免れてきた」と指摘する。「しかし、この4つの要因の変化に伴い、2020年度には財政を黒字化するとの日本政府の約束も空約束となりそうだ。日本政府の債務危機発生の確率は福島原発の放射能漏れ事故を大きく上回り、アジアや世界経済に対する大きなリスク要因になる」との見方を示した。
安倍政権は「アベノミクス」を掲げ、過剰な通貨供給と大量の国債発行を行っている。これは国際投資家の円建て資産への信頼感を揺るがすだけでなく、日本人投資家による日本国債売りと米国債買いも促す。日本政府の巨額の債務は巨大なエネルギーの目に見えない流れのように、世界経済をかき回す可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月30日