第3に、今回は中米経済対話開始10年を記念する「十年会」だ。対話の重要な特徴は戦略性と全体性だ。両国の相互信頼強化、互恵協力、民間交流の促進に向け、重要な役割を果たす。これまでの対話の歩みをふり返り、次の10年を展望することは、中米関係の健全な安定的発展の原動力となる。
第4に、今回はオバマ大統領の任期内で最後の中米戦略・経済対話であり、これまでの集大成、かつ未来への一歩となる会議だ。対話では、両国の新型大国関係の構築、中米アジア太平洋地域間の相互作用などについて議論する予定。戦略安全対話の議題は、国の主権と安全保障、中米両軍の関係、海洋安全保障など。人文交流ハイレベル協議は、各分野での制度設計に関する協力、持続的なイノベーション型協力モデルの推進などについて話し合う。多くの議題は、成果が出るまでに数年かかる場合が多い。今回の対話協力の成功には、米国の次期政権の対中政策との連動が重要となる。
第5に、今回の対話は「緩衝材」としての役割を果たす会議だ。米国のラッセル国務次官補は、今回の対話は「圧力」と「衝撃」を吸収し、問題解決の助けになるとの見方を示した。率直な対話を通じて2国間関係での騒音や妨害など「負のエネルギー」を解消し、共通利益の拡大で「正のエネルギー」を注入する考えだ。カギとなるのは、相互の核心利益と重大な関心事を尊重したうえで、対話と協議を通じて積極的な合意形成を図ることだ。また、建設的な方法で敏感な問題をコントロールし、誤解や矛盾の拡大を回避することが重要となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月7日