各ネットショッピングモールの特売日である6月18日、大きなニュースが伝わってきた。ネットショッピングモール「1号店」の全株式を取得して1年足らずのウォルマートが、京東商城に「1号店」を譲渡するらしい。これに対し、京東とウォルマートは肯定も否定もせず、「コメントしない」と述べるにとどめている。
「1号店」が京東に買収されるとのニュースが沸き返った19日、京東の「1号店」買収交渉はすでに最終段階にあり、しかも基本的に確定しており、今週の月曜日か火曜日に発表されるとの見方を情報筋が示していた。しかし一方で、この交渉は膠着状態にあり、完全にはまとまっていないとの見方もあった。
ウォルマートが「1号店」の全株式を取得して1年足らず。ウォルマートは昨年7月14日、「1号店」の創業者で会長の于剛氏と共同創業者でCEOの劉峻嶺氏が「1号店」を去ることを発表した。同年7月23日、ウォルマートは「1号店」の残りの株式を取得して完全持ち株会社にし、中国でのEコマース業務を迅速に発展させると発表している。ウォルマートのグローバルEコマースアジア地域責任者でCEOの王路氏が「1号店」を含めた管理業務を行ってきた。これまでウォルマートは「1号店」の51.3%の株式を取得していた。当時のウォルマートは「1号店」を完全子会社にした後、Eコマース業務を迅速に発展させ、オンラインで携帯とリアル店舗をつなげることで一貫した購買体験を提供しようと考えていた。
そう述べてきたウォルマートが1年足らずで「1号店」を売り出してしまう……。この報道に対しウォルマートと京東の担当者は昨日、取材に対して肯定も否定もせず、ただ「コメントはしない」と述べるのみだった。
報道によると、京東が今回「1号店」を買収する主な理由は、同社の本部が北京にあり、華東市場が脆弱であるためだという。華東を拠点とする「1号店」は、京東の華東市場を補完できる存在なのである。
「1号店」は2008年に創業。B2Cモデルのネットスーパーで、コスメや食品などの日常品を扱ってきた。2008年に417万元だった売上高が2年目には11倍に急増。4600万元になった。2010年には年間売上高を8億元超とする。この年、平安が8000万元で「1号店」の80%の株式を取得。2011年5月にはウォルマートの投資を受けることを発表。2012年、ウォルマートは「1号店」への追加投資を発表。持ち株比率を51.3%とし、最大株主になった。創業者の于剛氏と劉峻嶺氏の持ち株比率は10%前後となった。
「1号店」の業績について、業界筋は「常に赤字」と述べる。「1号店」は2013年に115.4億元の売上だったことを発表している。しかし2014年は売上高の数字を発表していない。業界筋は、ウォルマートの「1号店」の買収は典型的なオフライン企業によるオンライン企業の買収事例であるが、オフライン企業はネット遺伝子を持っているわけではないために「1号店」の買収戦略は失敗したと分析した上で、いい頃合いで売り抜けて重荷を取り除きたいのではとの見方を示す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月21日