中国建設銀行の黄志凌チーフエコノミストは、「第4次産業革命において、材料の革新、エネルギー利用、スマート経済、効率革命が革命的な進展となる」と述べた。黄氏の観点は下記の通り。
中国は現在、国家・民族復興の最良の歴史的契機を迎えている。科学技術革命はすでに60年以上も鳴りを潜めており、中国は1−3回目に乗り遅れた。中国が第4次産業革命を掌握できれば、短期間内に国家興隆、民族復興を実現できる。新たな科学技術革命を掌握するため、中国は3大戦略を実施するべきだ。
(一)設備製造業の技術更新戦略。中国は工業の更新・アップグレード、特に先進設備製造業の技術更新、伝統工業のアップグレード・更新を加速する必要がある。こうして初めて世界産業チェーンにおける自国の地位を取り戻し、中国の「世界の工場」としての地位を固めることができる。工業更新・アップグレードを加速することで、中国の工業の価値向上、技術・革新の蓄積の基礎を固めることができる。また材料革命・エネルギー革命・スマート革命・効率革命という中国に根を下ろす発展に土壌を提供することができる。先進設備製造は、世界の工業・農業生産の高地を占め、国防産業の自給自足および軍民産業の深い結合を重視しなければならない。宇宙産業、衛星および応用産業、レール交通設備業、海洋プロジェクト用設備、スマート製造設備という5つの分野に焦点を絞り、高い技術力と付加価値を持つハイエンド設備製造産業の発展に力を入れる。
(二)先進的な情報インフラ投資戦略の継続。情報インフラの投資・建設を拡大し、スマート経済の発展に優秀なハード環境を整える。スマート経済革命は、ブロードバンドネットワークやワイヤレスデバイスなど、優秀な情報インフラというハードの支柱を必要とする。2010年以降、中国の情報技術分野の投資規模は、世界トップクラスを維持している。これは社会・経済の効率に対して、想像もできない影響を及ぼしている。次世代情報技術はさまざまな技術を含み、広く活用され、従来の業界と融合することも可能だ。経済発展と産業構造の調整で発揮するけん引力は、業界の範疇をはるかに超える。投資拡大に取り組み続けるべきだ。
(三)科学技術革新・人的資源蓄積戦略の全力推進。中国は革新駆動型の発展戦略を打ち出しており、科学技術革新を軸とする全面的な革新を推進し、需要中心と産業化の方針を貫かなければならない。企業に革新の中心的な地位を与え、資源配分における市場の決定的な力と社会主義制度の強みを発揮し、科学技術進歩の経済成長への寄与度を高める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年6月26日