中国初となる国産の豪華くるクルーズ船が向こう5年以内にも建造される見通しとなった。
中国の大手国有造船グループ、中国船舶工業集団公司(CSSC)は4日、上海でイタリアの大手造船グループ、フィンカンティエリと合弁契約を結んだ。豪華クルーズ船の設計、建造を手がける合弁会社を香港に設立する。出資比率はCSSC傘下の中船郵輪科技発展有限公司が60%、伊フィンカンティエリが40%。同じくCSSC傘下の上海外高橋造船有限公司が同クルーズの建造と引き渡しを請け負う。
同クルーズ船の総トン数は約13.5万トン級、乗客6000人、乗組員2000~3000人を収容、船価は約10億米ドルに上る見込みで、上海で建造された船舶のうち最も豪華な船舶となる。ブランド名も初就航の日程も決まっていないが、中国初の自主設計・建造という新たな歴史の幕開けとなるものだ。
クルーズ船の建造は一般的に最先端の船舶工学や都市工学が集約され、造船から機械・電気設備、建築、装飾、文化、芸術まで様々な分野にわたって高度な技術が要求されるうえ、工事量も膨大だ。最先端の造船技術のほか、国際海事分野における船舶の快適性、安全性、信頼性、環境保全性といった厳しい基準を満たさなければならず、極めて高度なサプライチェーン・マネジメントなども要求される。