旅行サイトC-tripのデータによると最近、同アプリで「中国からイギリス」を検索する人が激増している。
中国は海外高級品の主要消費国となっている。英旅行会社Visit Britainのデータによると、2015年のイギリス行きの航空機便数は270,000回で46%増だった。英航空会社IAG SAは今週火曜日、英ポンドの下落によってイギリス旅行が再び「ちょっとしたブーム」になると予測する。
「多くの中国と中東地域の観光客がこぞってイギリスに来て買い物をしている。そのことに全く驚きはない」と、スイス時計メーカーであるH. Moser & CieのCEO、Edouard Meylan氏は言う。「“バーゲン”の時には多めに買いたいと誰でも思うだろう」。
ロンドンを訪れる観光客の激増は、バーバリーやマルベリーなど有名高級ブランドにとってグッドニュースだ。EUショックの影響で、イギリスの高級ブランド企業の多くが利益を落としている。イギリスは世界で6番目の高級品消費市場であり、消費金額は155憶ユーロに上る。高級品は日本やマカオ、香港で急激に売上を落としている。
旅行者はこぞってイギリスへ 日本は打撃
香港上海銀行のアナリストは、「人々が高級品を買う理由はひとつ。“いいね、じゃあ買おう”だ」。
MainFirst BankのアナリストであるJohn Guy氏は、英ポンドが10%下落するとバーバリーに9000万ポンドの利益をもたらすと言う。シティバンクグループのアナリストであるThomas Chauvetの概算では、バーバリーの営業収入の10%はイギリス国内から、60%が各国観光客の消費からもたらされている。
ロンドンの観光客急増は、東京の銀座に大きな打撃を与えている。先月、日本を訪れた中国人観光客数は昨年比31%増だったが、最近の円高によってその数は減少している。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストであるMichelle Ma氏が持つデータによると、日本経由でイギリスやヨーロッパに行くと、中国人観光客は費用を40%節約できるという。そこには人民元の外貨換金の問題がある。今後、直接イギリスに向かう観光客が増加することが予想されるが、それは夏休みシーズンだからだと同氏は言う。
日本で最大規模の免税店Laoxの担当者であるYoko Yamazaki氏は、「円高の終息する時期がはっきりしないようなら、訪日観光客の数は減り、他の場所に行ってしまいかねない」と話す。
香港ドルに対する人民元の下落も、マカオのカジノを不景気にしている。原因は、香港ドルが米ドルとのペッグ制を採っているからだ。宝石店の周大福やコスメ店のSa Saといった香港の小売企業の利益も人民元の下落で打撃を受けている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月7日