世界の貿易成長率が4年連続でGDP成長率を下回り、グローバル投資の伸びが鈍化するなか、7月9~10日に上海で開かれるG20貿易大臣会合が注目されている。今回の会合では、G20の貿易と投資をめぐる枠組みの構築、世界貿易の成長促進、多国間貿易の支援、投資政策の協調と協力促進、包摂的で調和がとれた世界のバリューチェーンの整備など、5つの議題について議論が行われる。
アナリストはこれについて、現在はクロスボーダーEC(電子商取引)が年平均30%の伸びで急成長していると指摘。貿易モデルの革新に基づくクロスボーダー輸出商の発展促進や、通関・決済・物流面での輸入ECの発展など、政府の関連支援措置も集中的に打ち出されている。クロスボーダーECは国際貿易の重要な一環であるため、G20貿易大臣会合の開催により関連銘柄の物色が活発になるとみている。
クロスボーダーECの発展情況をみると、取引規模は近年持続的に増加しており、輸出入貿易でのシェアは年を追うごとに急上昇している。中国電子商務研究センターが発表した「2015年度中国電子商務市場モニタリング報告」によると、2015年の中国クロスボーダーECの取引規模は前年比28.6%増の5兆4000億元だった。輸出入貿易全体に占める比率は20.2%、伸び率は42.3%に達した。また、B2Bを中心にクロスボーダーECの輸入も急成長している。
業界関係者は、9月に杭州で開かれるG20サミットで、貿易・投資と世界の相互接続促進に関する内容が議論されると予想。クロスボーダーECは「インターネット上のシルクロード」として世界の連動的発展に不可欠な役割を果たす見通しで、G20サミットはクロスボーダーEC産業に好材料をもたらすとみられる。