20カ国・地域(G20)の貿易相会合が10日に上海で、史上初となる貿易相共同声明を採択し閉幕した。議長を務めた中国商務部の高虎城部長は記者会見で、会議では「3つの文書」を承認し、「2つのコンセンサス」が成立、歴史的な成果が上がったと述べた。
具体的には、会議は「G20貿易投資ワーキンググループの職務内容」を承認し、G20貿易投資政策協力の制度化を実現。業界関係者はこれについて、「先ずプラットフォームを整備したうえで、低迷する貿易投資の現状改善に向け、具体的な事項について多角的に実行可能なプランについて議論し、協調推進していく方法だ」と指摘した。
会議ではこのほか、「G20グローバル貿易成長戦略」と初の「G20グローバル投資指導原則」が承認された。
コンセンサスについては、多角的な貿易制度強化について重要なコンセンサスが得られた。具体的には、貿易保護主義に反対することを明らかにしたほか、◇2018年まで新たな保護主義的措置を実施しないことを決定。◇地域貿易協定の透明性強化と他の多国間貿易との規則の一致性確保。◇年内にG20加盟国全てが「貿易円滑化協定」を承認すること。――などで合意した。