英国が国民投票によりEU離脱を決定した後、中国資本は英国で強い購買力を示している。中国の大連万達集団と中集集団は相次いで英国の大規模資産を買収し、それに新米者も続いている。『国際商報』の記者が取材した業界関係者は、英ポンド安の進行に伴い底値買いを狙う買収者が多く、英国のM&A市場では中国と他国の資本が躍動する局面を迎えていると話した。
大連万達集団の傘下にある米国の映画館チェーン、AMCエンターテインメント・ホールディングスは先ごろ、総額9億2100万ポンドでプライベート・エクイティ・ファンドのテラ・ファーマからロンドンに本社がある欧州最大の映画館運営会社Odeon & UCIを買収すると発表。「今回の買収は英国のEU離脱決定後、米国と中国が英国企業に行った最初の巨額投資で、中国資本が米国のプラットフォームを利用して英ポンド資産を買収する最高の事例だ」。中倫津師事務所ロンドンオフィスの王篠倩弁護士はこのように評価した。
同様に中集集団は6月29日、総額9170万ポンドで英国のRetlanグループを完全買収したと発表。買収額はここ10年の世界セミトレーラー業界で最大となった。王篠倩弁護士は、「万達集団の買収と同じように、中集集団による今回の買収はちょうど英国のEU離脱決定のタイミングと重なった」としている。
民生銀行の温彬チーフ経済研究員は『国際商報』の記者に対し、対英ポンドの人民元レートが最近7%前後上がったことで英国企業の買収額が下がり、有利な状況になっていると説明した。英国EU離脱の手続きが終われば、英国と中国の経済・貿易協力は能動性がさらに強まる見込みで、英国には金融、ハイテク、環境保護などの分野で相当なアドバンテージがあり、中国との協力強化にも積極的と指摘。これは中国資本企業の競争力向上にもつながるとの見方を示した。