AMCのアダム・アーロンCEOは声明で、「欧州最大の映画館運営会社を対象とする今回の買収は、最大にして最高の劇場運営会社をつくる千載一遇のチャンス」との考えを明らかにした。さらに英国EU離脱が国民投票で決まったことは不確定性をもたらすが、英ポンドレートが対米ドルで31年ぶりの安値となるなか、このタイミングでの買収はAMCにとっても極めて有利と説明した。
英国のEU離脱が決まった国民投票後に中国資本が積極的に英国資産の物色と買収を進めるなか、多くの米国企業とプライベートエクイティファンドも英国市場で買収対象を探している。王篠倩弁護士は、万達集団と中集集団による買収が、英国ポンド資産の合併・買収をめぐる中国資本と米国資本の競争を再開させたとの見方を示した。英国資産に対して米国資本は言語文化的なアドバンテージがあり、国際的な合併・買収の経験が豊富で行動も早いと指摘。ただ、英国の新首相が触れているように、米国資本による英国企業の買収事例には資産の転売や好ましくない買収の記録が多い上、EU離脱後に英国は中国との経済協力を強化する見通しで、中国資本は英ポンド資産の買収競争において米国資本と対等の立場となる100年に一度のチャンスを迎えたかもしれないとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月31日