中国外貨取引センター(CFETS)の情報によると、1日の人民元対米ドル基準値は1ドル=6.6277元で、前営業日に比べ0.0234元の元高・ドル安となった。上昇率は0.35%と単日では6月23日以来最大の上げ幅。6月30日以来の元高水準を更新し、5営業日連続での値上がりとなった。人民元オンショア(CNY)とオフショア(CNH)市場のスプレッドは一段と縮小し、原稿完成時のオンショア(CNY)レートは1ドル=6.6346元と前営業日から0.0055元の元高・ドル安、オフショア(CNH)レートは1ドル=6.6380元と前営業日から0.0076元の元安・ドル高で、価格差は0.0034元だった。
中国銀行の宗良首席研究員は「証券日報」の取材に対して、「国際的に見ると、しばらく前の米利上げ観測の高まりと英EU離脱で世界的にポートフォリオ調整の動きが広がり、人民元など米ドル以外の通貨の下落を招いた。これらの一時的な影響が和らいだほか、米国の第2四半期経済指標が市場予想を下回ったことで、米ドルインデックスが下落した」と述べた。
国内的に見れば、6月は外貨準備が増加するとともに、第2四半期のGDP成長率が6.7%を維持し、経済成長と国際収支がともに安定傾向にあることが示された。9月にはG20サミットが中国で開かれる。中国経済のファンダメンタルズについて見ると、人民元為替相場は当面安定傾向を維持する見通しで、大幅な元安となる可能性は極めて低いとしている。