中国商務部のまとめによると、2016年上半期の中国の非金融類対外直接投資(FDI)は前年同期比58.7%増の888億6000万米ドルだった。非金融類FDIは2015年年間で1180億2000万米ドルに上ったが、その後も急速な増加が続いている。中国のFDIは13年連続で増加しており、対外直接投資と対中直接投資の規模は徐々に同じ水準に近づいている。対外直接投資の増加により、中国は資本の輸入大国から輸出大国転換しつつあり、国際投資協力でより重要な役割を演じるようになる見通しだ。
中国の対外直接投資の大規模な増加は、世界の投資の枠組みの変動を加速させる見通しだ。中国は国際投資協定の改善を見据えて調整を急ぎ、資本の効果的な双方向の流動を促している。世界の経済枠組みの変動も国際投資協定の調整を加速させ、中国的要素が反映されつつある。
中国の国際投資協定の交渉加速は対外開放の重要な項目だ。国有企業、環境保護、安全保障などが高い水準の多国間・2国間の投資規則策定で難しい問題となるが、一方で、文化、通信などの産業の開放が協定実現のカギとなる。中米2国間投資協定(BIT)交渉が長期化していることは、国際投資協定の調整は時間がかかり、きわめて困難であることを物語る。中米BITは国を跨いだ投資の保護や投資家間の公平な競争、市場開放問題などに関わる高度な協定であり、今後の投資協定の見本となるものだ。中国とその他の国々、ひいては世界の投資協定交渉にとっての基盤固めとなるもので、中米両国の国際投資協定の調整にもつながる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月8日