中国国務院はこのほど、「『十三五』(第13次5カ年計画、2016-2020)国家科学技術イノベーション計画」を発表した。新華社は、計画策定に携わった科学技術部の李萌・副部長、同創新発展司の許倞・司長、国務院発展研究センター技術経済部の吕薇・部長に取材し、5つの見どころについて下記のように分析した。
【1】科学技術の発展でイノベーションを重視:「科学技術計画」から「科学技術イノベーション計画」に
従来の国家科学技術計画と異なり、同計画は初めて国家科学技術イノベーション計画と名付けた。
李萌・副部長:「十三五」計画は、小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的完成と、イノベーション型国家の仲間入りへの重要なステップだ。計画は、経済成長への科学技術進歩の寄与率を55.3%から60%へ、GDPに占める知識集約型サービス業の付加価値の比率を15.6%から20%に引き上げるなど、12項目の指標を提起した。これは産業の評価についてバリューチェーンの高度化を促す重要な指標だ。
【2】高いスタート地点:目先のことに囚われず、現状と将来を同時に見渡す
計画では、6項目の全体方針が示された。先ずは、先発優位性を獲得し、現状と将来を同時に見渡す重要戦略の強化を図る。次に、オリジナルのイノベーション能力を強化し、重要戦略のイノベーション力を育成する。
許倞・司長:中国の科学技術の発展は長期に渡る他への追随から、「先駆、並走、追跡の同時並行」という新たなステップに入った。計画は、先端性と主導性を重視し、これまでの常識を覆すような技術が産業の変革に与える影響に注目する。たとえば、量子通信と量子コンピュータ、脳科学と類脳研究など、前例の無い技術を重大プロジェクトの計画に組み入れることだ。