米月刊誌「ポピュラーサイエンス」のウェブサイトに9日、「中国のハイブリッドスペースプレーンが21世紀の宇宙競争をリセットするかもしれない」との記事が掲載された。スペースX社が回収可能ロケットの利用で注目を集める中、中国は、宇宙飛行開発におけるもう一つの目玉となる飛行器、極超音速スペースプレーンを開発中であることを発表した。
中国航天科技集団公司(CASTC)は、退役したスペースシャトルよりもさらに効率的なハイテク飛行機の開発をまもなく開始する。複数の動力を使用したこのハイテク機は、普通の空港から離陸し、軌道へと直接飛んで行くことができる。このハイブリッドスペースプレーンの複合サイクルエンジンは、ターボファンエンジンかターボジェットエンジンを利用し、機体を滑走路から水平に離陸させる。空中に入った後は、ラムジェットエンジンが使われる。速度が上昇したら、超音速気流スクラムジェットエンジンへと切り替えられる。スクラムジェットエンジンの段階で、ハイブリッドスペースプレーンは、海面から20kmから100kmの「近宇宙」における極超音速飛行に入ることとなる。スペースプレーンは最終的に、ロケットエンジンを利用して「近宇宙」を飛び出し、軌道に入ることとなる。
CASTCのスペースプレーンは、便利に繰り返し使用することができ、宇宙への打ち上げのコストを大きく引き下げるものと期待されている。
CASTCのエンジニア、張永氏によると、中国は今後、このスペースプレーンの各技術を3年から5年で把握し、2030年にスペースプレーンの応用を実現させる計画だ。
CASTCの別のエンジニア、楊暘氏の指摘も興味深い。氏によると、このスペースプレーンは、訓練を受けていない人員がより容易に宇宙に入ることを可能とする。キャリアロケットでの打ち上げに比べると、このスペースプレーンの加速は比較的穏やかで、離陸プロセスで宇宙飛行士の体にかかる負担が少ないためだ。つまりこのスペースプレーンが実現すれば、宇宙旅行に利用できる機種を開発することも可能となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月11日