通州の新築住宅の価格が1平方メートル当たり5万元を突破し、大興や房山でも4万元を突破した――この高騰を受け、北京の住宅市場では投資の余地が狭められ、投資コストが高くなっている。しかしながらより安定的な投資先、資産配分の需要により、住宅市場は依然として収益率が最も高い投資先とされている。
この矛盾を受け、住宅価格の高騰により北京から押し出された投資家は、政策が緩やかで信用貸付が得られる2級都市、観光都市に目をつけている。またこれらの投資家の流入により、二級都市の住宅価格が上昇している。閑散期であるはずの海南省や雲南省でも、成約価格が前年同期比で急騰している。
投資資金が二級都市へ
黄さんが典型的な投資家だ。黄さんは20年前に河南省から北京市に進出し、今や北京市で2軒の住宅を持つ。株式市場が低迷し、投資先が限られている黄さんは、大興区義和荘付近で商業用・住宅用Loftへの投資を検討していた。「今年3月から注目していた。当時は300万元前後という情報があったが、販売が遅れている。情報によると、9月にようやく販売開始となり、最低価格がすでに380万元に上がっているという。私が目をつけた73平方メートルの内装済みのLoftは、販売を待つ間に100万元も高騰した。商業用・住宅用プロジェクトの頭金は50%以上なので、頭金が約50万元増えたことになる。これは私の予算を上回り、諦めざるを得なかった」
しかし失えば得るものもありで、黄さんは友人の紹介により、実家の鄭州市に戻り、鄭東新区で中古住宅を購入した。当時の価格は1平方メートル当たり1万7000元ほどだったが、現在は最高で2万弱の値がついている。
黄さんのような投資家は、一部の2級都市で機会を模索している。2級都市の経済発展は1級都市に次ぐ水準で、かつ購入や貸付の制限がなく、さらに多くの支援策を受けられる。1級都市の引き締めが強まり、投資資金が2級都市に移り、2級都市の住宅市場が活況を呈している。
経済が発展し、1級都市とつながる2級都市に、最も多くの資金が集まっている。北京の住宅価格が続騰すると同時に、郊外や、廊坊、固安、大場などの市・県で住宅価格が高騰している。今年最も高騰したのは蘇州市だが、上海市の購入制限による投資需要の吸収があった。
業界関係者は「今年上半期、1級都市の地価の高騰に伴い、一部の不動産会社は南京市、蘇州市、アモイ市など、有力2級都市で土地獲得に乗り出している。これらの都市の都市市場が盛り上がりを見せている。これは資本のスピルオーバー効果と呼ばれている」と指摘した。
業界関係者は、「北京・上海・広州の住宅購入が制限され、2級都市でも高騰が始まった。これにより外部にあふれた投資需要が、海南省や雲南省のような環境の優れた人気エリアに向かっている」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月22日