中国国務院はこのほど「実体経済の企業コスト低減に向けた対策方案」(以下、方案)を発表した。
「方案」は、次のような原則に基づき、企業コスト低減を図ると強調。◇要点を逃さず、包括的・系統的に進める。◇将来の成長を見据えつつ足元の問題の解決を図る。◇企業の発展を支援するとともに自然淘汰を実現。◇外部コストを低減するとともに内部の潜在力を掘り起こす。◇企業コストを低減するとともに質的向上を図る。これらの原則を堅持しつつ、政府、市場、企業の各自の役割を発揮し、実体経済の企業コスト引き下げを目指す。
「方案」は、企業コスト引き下げには、企業の税負担のほか、資金調達や取引、エネルギー、物流などのコストを合理的かつ効果的に引き下げ、人件費の上昇を合理的にコントロールすることが必要だと指摘。3年をメドに企業コストを合理的に引き下げるとともに、収益力を強化、産業競争力の向上を目指す。
「方案」は、実体経済の企業コスト低減に向け具体的に8つの措置を提起した。
【1】企業の税負担の軽減。「営改増」(営業税から増値税への切り換え)、研究開発費の追加控除措置の実施、18項目の行政手数料免除、政府性基金の減免など。
【2】企業の資金調達コストの引き下げ。合理的で余裕のある流動性の維持、直接融資の比率拡大、貸出に関する中間コストの引き下げ、長期低コストの資金規模の拡大、不良債権の処理の強化、民営銀行設立の推進など。
【3】制度的な取引コストの低減。「放管服」(行政手続きの簡素化と権限委譲、活性化と監督管理の結合、サービスの最適化)改革の深化、政府の公共サービスの強化、行政審査が必要な項目の圧縮、公平な競争に基づく審査制度の実施、全国統一の市場参入ネガティブリスト制度の導入など。