中国は8月16日、「長征2号丁」運搬ロケットにより世界初となる量子科学実験衛星「墨子号」を打ち上げ、衛星と地表面を結ぶ量子通信を世界で初めて実現した。中国の「無条件に安全」な「天地一体化」量子通信ネットワーク構想の実現に向けたマイルストーンとなった。初の「量子科学実験衛星」打ち上げ成功で量子通信は真の広域伝送時代に入る見通しだ。
量子通信技術はすでに市場で産業化への応用が始まっており、現在は主に金融、政務、軍事などの情報安全伝送に用いられている。ある分析によると、未来の量子通信は都市内ネットワーク、都市間ネットワーク、広域ネットワークまで全面的に拡張し、量子通信の応用分野も個人生活まで広がり、2030年までに量子通信の市場規模は1000億元に達するとみられている。
中国科学技術大学、杏林苑、浜湖新区という合肥市内にある関係の無い3カ所が2008年10月にある実験でつながれた。この3カ所は拡張可能な3ノード量子通信ネットワークを構成し、世界初の量子暗号電話システムで結ばれ、永久に歴史に名を残すこととなった。