対米投資を加速させる中国が注目を集めている。2015年、中国企業の対米直接投資額は150億ドルを超えた。写真は米サウスカロライナ州にあるハイアールの工場で冷蔵庫の回路を溶接する作業員。
米中貿易全国委員会は8月18日、「米国対中輸出レポート(2006~2015)」を発表した。同レポートによると、この10年、米国の対中輸出増加率は他の主要貿易国を凌ぐものである。2015年に中国はアメリカにとって第三の貨物輸出市場となり、2014年に第四のサービス商品輸出市場となった。レポートは、中国が米国の経済成長の“重要な貢献者”になっていると指摘している。
大多数の州で対中輸出が激増
レポートによると、経済が成熟してきたのに伴い、中国は大きな調整期を迎えている。GDP成長率や貿易増加率は減速しているものの、この10年、アメリカの対中輸出の増加幅は他の貿易相手国を上回るものである。2006年から2015年にかけて米国の対中貨物輸出成長率は115%だが、これは他の主要貿易相手国10カ国を上回っている。
2014年、アメリカの対中サービス輸出規模は420億ドルだった。中国はアメリカにとって第四のサービス輸出市場である。2006年から2014年にかけて、アメリカの対中サービス輸出増加率は300%に達する。他の国家の増加率は91%だった。世界貿易の成長率は減速しているが、この10年でアメリカの対中貨物輸出の年間平均増加率は9%だった。サービス貿易面で見ると、アメリカの対中輸出は過去10年、年率17%で増加してきた。他の貿易相手国をはるかに上回る数値である。
米中貿易全国委員会の会長であるジョン・フリスビー氏は、対中輸出は米国の経済成長と雇用市場の改善にとって“非常に重要”だと述べる。同レポートにおけるアメリカの対中貨物輸出とは、運輸設備、農業、コンピュータ、電子製品、化学製品など様々な業界を含む。対中サービス輸出は、観光、教育、運輸、金融サービスなどの分野を指す。対中輸出の安定的かつ急速な発展は、これらの業界に多くの雇用機会をもたらしている。