流れは高級化?
乗客側では乗車料金が上昇し、ドライバー側では手当が停止される中、オンライン配車プラットフォームは、売上の増加と支出の削減に気を配ると同時に、市場の細分化にも取り組んでいる。地方のオンライン配車プラットフォームの匿名の担当者は記者の取材に対し、オンライン配車の新たな政策は、地方政府にある程度の決定権を与えるもので、オンライン配車市場の変数は増え始めており、高級化が重要な解決の道となる可能性がある。
各大都市でのオンライン配車サービスをてがける「首汽約車」の魏東CEOによると、同プラットフォームは、価格の違いに大きく左右されるローエンドの乗客を放棄し、企業ユーザーや高級ビジネスマンの重点的な開発を進めている。その乗車料金は流しのタクシーよりも平均で50%高く、首汽約車とほかのオンライン配車プラットフォームとの乗客の重複度は低い。前述の匿名のオンライン配車プラットフォーム担当者は、滴滴出行とウーバー中国事業との合併の強みはその取引量にあるが、オンライン配車についての新たな政策が打ち出されたことで、巨大な取引量を誇る両プラットフォームは、適格な車両やドライバーの不足によって困難に遭遇する可能性があると分析する。将来的には地方のタクシー会社と連携して現地市場を開発するというのも悪くない選択肢と言える。だが地方政府がもしも、数量や価格におけるコントロールを強めれば、滴滴やウーバーなどのプラットフォームは、高価格の維持とミドル・ハイエンド市場への取り組みを余儀なくされることとなる。
滴滴出行が成都市汽車運輸集団公司など50社近くのタクシー会社と協力関係を締結したとの情報もある。滴滴出行の董事長兼CEOの程維氏は、現在はタクシーと廉価タクシー、ハイヤーでプラットフォームが分かれているが、今後はこの区別をなくしていくことができる可能性もあると語っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月6日