2016年から5年の歳月をかけて粗鋼生産能力をさらに1億~1億5000万トン圧縮するほか、3~5年で石炭の生産能力5億トン前後を削減し、石炭5億トン前後の減産・再編を進める。これが中国の生産能力削減のスケジュールだ。
世界経済をみると、同じように工業品の生産能力過剰に苦しんでいる。G20杭州サミットでは、「鉄鋼やその他産業の過剰な生産能力を世界的な問題として認識し、一体となって対処する必要がある」との声明が発表された。
構造的な成長のボトルネックは多くの経済国が直面する共通の問題だが、中国の経験は伝統的な考えの打破、成長モデルの刷新、供給側構造改革の実施につながるだろう。構造改革の実施は自身にメスを入れることのようで初めは容易でないが、最終的には根深い構造的矛盾を解決し、長期的な成長を実現する。
「中国の改革は正念場を迎え、難しい領域に入った。我々は、躊躇せず即断する勇気と生まれ変わる決意を持って、長年にわたり蓄積された頑固で有毒な持病にメスを入れ、根深い利益関係と矛盾に手を入れ改革をやり遂げる」。中国の習近平国家主席の言葉がサミットで力強く響いた。