現状をみると、中国先物市場の国際化はすでに進み始めている。先物会社が買収や新規設立などの多様な方法で国際先物市場に参入し、中国の投資家はこうした先物会社のチャネルを通じて「走出去」を実現している。例えば、中銀国際先物は海外主要取引所の決済会員資格を取得し、南華先物は米シカゴで海外子会社を設立した。また、海外投資家も適格海外機関投資家(QFII)の方式で中国の株式先物市場取引に参加している。
中国が先物市場の国際化を進め、地域的な値決めセンターを設立すれば、必然的に先物品種の国際化が進む。中国の先物品種は上場の時期が異なり、成熟度も全く違うため、国際化を進める品種の選択とその方法を先物品種の実状と呼応させる必要がある。胡俞越所長は、鉄鉱石やPTA(高純度テレフタル酸)といった成熟して中国の特色を持つ先物品種の「走出去」が優先的に検討されるとの見方を示した。
一方、上海対外経貿大学戦略性大口商品研究院の仰炬副院長は、グローバルにみると、先物市場の国際化は一国の金融監督管理能力が試されるもので、計画を統一し、慎重に進める必要があると指摘した。先物市場の管理体制や法律法規の国際化は長期的・体系的な事業となるため、監督管理機関が準備作業を行い、リスクコントロールシステムの整備と投資家教育の推進などに取り組むべきとしている。