今年2月、中国企業は海外で最大の買収取引を行った。中国化工集団は430億米ドルでスイスの農薬大手シンジェンタを買収。中遠集団はギリシャのピレウス港の運営会社の支配権を取得。注目すべきは、この中国企業2社の買収額が市場予想を大きく上回ったことだ。中国はこのような手法を通じて、影響力のある資本のM&Aを進めている。
一方で、中国からの投資を受け入れる国、米国やオーストラリア、EUの監督管理部門が、国家の安全保障上の利益や中国による市場独占の危険性を考慮し、取引を承認しない場合もある。これが原因で、中国企業の取引が流れることも多い。一例をあげると、中国が投資する大康オーストラリアによる豪州牛肉大手S・キッドマン社の買収は、まだ承認されていない。中国のハイテク企業・清華紫光集団は米国のウエスタンデジタルを38億米ドルで買収する計画であるほか、華潤微電子と華創投資も25億米ドルで米国の半導体メーカーフェアチャイルド社の買収を狙っているが、いずれも成功していない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月10日