招商銀行資産管理部の劉東亮シニア・アナリストは、今回の人民元基準値大幅下落について、「国慶節連休中の顕著な米ドル高が要因」だとし、「為替相場形成メカニズムが大きく変わったわけではない」と指摘した。
招商証券の謝亜軒チーフ・マクロアナリストは、「現在の人民元為替相場形成メカニズムでは、人民元為替相場の水準は通貨バスケットの実勢に応じて決定され、外国為替市場の需給の変動にも左右される。人民元は正式にSDR入りしたため、貿易黒字の季節的な変動が拡大。中国債券市場の対外開放により、経済主体の外債償還も鈍化。対外資産の買い増し需要も安定しており、当面は外国為替市場の需給の変動が人民元為替相場の形成を下支えする見通しだ」と分析。「直近の数値を見ると、この政策に対する経済主体の理解度も高まっており、為替レートの見通しも安定傾向にあるため、人民元基準値が6.7元台の元安となっても、金融市場と経済主体の動きへの影響は限定的」だと予想した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月11日