食品価格の上昇を受け、9月の中国の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月より拡大する見通しだ。複数の専門家が、今後のCPIは緩やかな上昇傾向を辿るとの見方を示した。
交通銀行の連平チーフエコノミストは、9月の食品価格の上昇率について、前月比で0.5-1%と前月から拡大すると予想。前年同期は野菜価格がほぼ前月並みだったため、今年は商品価格の前年同期比での上昇率は1.9-2.4%前後と、前月に比べて大きく拡大すると分析。総合的にみると、2016年9月のCPI上昇率は1.6%と、前月からやや拡大するとの見方を示した。
連平氏は、9月に入ってから豚肉価格が安定に向かっていると指摘。「豚出荷価格/穀物卸売価格比」は9.3前後で推移しており、豚の飼育量と繁殖用雌豚量はやや減少。豚肉価格の下落傾向は鈍化し、前年同月比での上昇率は安定に向かっている。非食品価格の上げ幅は安定し、4-6月期から原油価格が低迷していたため石油関連製品価格は低水準で推移。文化、観光、サービス価格は安定的に上昇。景気刺激策が採られていないため、緩和マネーがCPIを押し上げる可能性は低いが、需給関係がひっ迫する食品の価格は段階的に上昇する可能性がある。今後のCPIは概ね安定を維持し、明らかなインフレやインフレ圧力などは存在しないとしている。