政策の「副作用」に懸念の声
12年、安倍晋三首相は「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」というアベノミクス「3本の矢」を発表した。この計画では、日本経済は急速に回復し、インフレ率は2%に達し、20年までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)で財政均衡を達成するとしている。13年3月に日銀の総裁に就いた黒田東彦総裁は、アベノミクスの忠実な実行者だ。
しかし、マイナス金利政策による刺激の下でも、日本経済は一向に好転せず、特に金融業の状況は悪化の一途をたどっている。
実際には、マイナス金利政策が実施された当初、市場が最も懸念していたのが、金融機構に対する悪影響だった。そして、懸念が的中し、実施が始まった今年2月16日、日本のインターバンク市場の取引数が激減した。日銀のエコノミストは、「金融機構のコンピューターシステムには、マイナス金利に対応する設定がないことのほか、この種の取引に対する信頼がまだなく、消極的になっている」と分析している。
8月13日付の「日本経済新聞」の報道によると、金融庁は日銀のマイナス金利政策が、3大メガバンクグループ(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の2017年3月期決算で少なくとも3000億円程度の減益要因になるとの調査結果をまとめた。
ただ、前述のエコノミストによると、経済のベースを見ると、日銀が強化している金融政策は、企業の投資や不動産開発の成長を促しているという。日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)では、日本の企業の16年度の設備投資計画は4.8%増で、積極的な姿勢が見られる。また、日本の企業が発行する超長期(20年物、30年物、40年物)の社債の額が上昇している。「このような效果は、我々が期待していたものだ」と前述のエコノミストは話した。