産業経済アナリストの梁振鵬氏は「小米製スマホの市場シェアは現在、以前ほど高くはない。中国スマホ業界の市場規模の成長率が低下したことが主な原因だ。小米が2011年にスマホ業界に進出したばかりのころ、スマホ市場は爆発的な成長を遂げていた。小米製スマホのライバルが力をつけており、同社の市場シェアを食い込んでいる」と分析した。
梁氏は「中国スマホ市場の製品構造が徐々にモデルチェンジ・アップグレードし、小米製スマホの技術水準も高まっているが、ハイスペック・低価格、高コストパフォーマンスという長所が強調されている。個性化の競争力で、一部の競合他社に遅れを取っている。例えばファーウェイのライカカメラ、vivoのクイック充電機能、OPPOの撮影用スマホの概念など、消費者は個性化された技術力を持つ製品を必要としている。しかし小米製スマホはこの市場のチャンスをつかんでいない」と指摘した。
技術中心の企業に転向できず
小米の問題点が指摘されているが、雷CEOは大きな野心を抱いている。メディアの報道によると、雷CEOは7月に社内で「当社は低迷期にある。今年はサプライチェーンで極度な品切れが3カ月生じたが、私がスマホのサプライチェーンを担当するようになり、状況はすぐに改善されるはずだ」と話していた。
厳しい市場競争に対して、小米はオフラインのチャネル開拓を選択した。雷CEOは「当社の未来の販売チャネルは、オンラインマーケティングから実店舗に重点を移す。小米之家(小米直営センター)の拡張に力を注ぐ。小米之家の目標は、1店舗当たりの月間売上5000万元だ。現在最も売れ行きが好調な店舗は1日で143万元に達する」と述べた。
雷CEOは先ほど取材に応じた際に「当社は来年、小売店の小米之家を200-300店舗開設する。当社は2020年までに実店舗を1000店舗開設し、1店舗当たり売上を1億元の水準にする。これらの店舗により、消費者は当社の製品を手に取り、体験しやすくなる」と語った。
小米之家は北京に3店舗ある。記者が17日に北京市海淀区中関村大街の店舗を訪れたところ、閉店まで残り1時間にも関わらず、店内では多くの買い物客が品定めをしていた。伝統的なアップルやサムスンのスマホ専売店と異なり、ノートPC、スマホ、さらにはブレスレット型デバイス、パッチパネル、目覚まし時計、炊飯器、バッグ、リュックサックなどが販売されていた。
産業アナリストの劉歩塵氏は「小米の再起は多くの課題に直面している。同社の栄枯盛衰の最も根本的な原因は、インターネットブームの収束にある。この勢いを借りて成長した同社は、成長を維持する基盤を失っている。同社はマーケティング中心の企業から、技術中心の企業にモデルチェンジできていない。ファーウェイのような力強い研究開発力をつけておらず、国際市場という支えも持たない」と分析した。