中国国家統計局が19日発表した2016年第1-3四半期(1-9月)の国内総生産(GDP)は52兆9971億元と前年同期比で6.7%の増加となった。
アナリストは、「足元の中国経済は概ね安定を維持しており、経済の安定運営や経済構造の改善を反映する重要指標も予想を上振れた」として、総じて「穏中有進(安定を保ちながら前進)、穏中提質(安定を保ちながら質が向上)」基調が鮮明となったとの見方を示した。
今回の経済指標は、まことしやかに語られてきた中国経済のハードランディング論や衰退論といった「失速論」がもろくも崩れ去ったことを示したといえる。
工業用電力使用量、発電量、貨物輸送量などの指標はいずれも上向き基調が鮮明となったほか、社会消費財小売総額も名目で前年同期に比べ10.4%増加、全国の1人当たりの可処分所得も1人当たり実質GDPを上回る伸びとなった。民間投資の伸び率も1-8月に比べ0.4ポイント上昇、都市部の新規就業者数は1067万人と1四半期前倒しで通年目標を達成。最新統計から、GDPは引き続き中高速成長を維持していることが明らかで、かつ主要指標の多くも予想を上振れる結果となった。