ドイツ連邦経済省は先ごろ、中国企業によるドイツの半導体企業アイクストロン(Aixtron)の買収計画について、審査をやり直すと発表した。ドイツ中国商会はこれについて、「中国の正常な商業投資行為に対する政治的な介入を憂慮」するとし、「短い間に矛盾する決定を出したことは理解できない」と表明した。
年初の中国美的集団によるドイツの産業用ロボットメーカー・クカ(KUKA)の買収案件に続き、ドイツ政府による買収への介入はこれが2回目。美的集団によるクカ買収は当初、経財相をはじめとする政治家が反対を表明。ドイツ連邦経済省は審査に時間をかけ、最終的に8月に買収案を承認した。
26日の独経済紙「ハンデルスブラット」国際版は、「アメリカがアイクストロン買収に介入」と題し、ドイツ政府の決定にはアメリカの介入が背景にあると報じた。
ハンデルスブラット紙は情報筋の話を引用し、「米国の情報部門は『北京はアイクストロンの技術を原子力計画に利用しようとしている』との理由で、今回の買収を阻止するようドイツ政府を説得した」と報じた。