中国で贈答用とされている超高級品の売れ行きが近年低迷している。これは汚職撲滅キャンペーンによる影響と分析された。役人は収賄が発覚することを恐れており、市場が低迷し、「汚職撲滅効果」と比喩された。しかし直近の四半期調査によると、中国の超高級品市場が再び活況を呈し、投資家にサプライズをもたらしている。ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)のウェブサイトが伝えた。
中国市場の不調により、世界の高級品消費は上半期に低迷していた。香港では消費が冷え込み、欧州を訪れる中国人客の消費が激減し、さらに米国市場が低迷した。これによりルイ・ヴィトン、ケリング、ディオール、エルメスなどの売上が疲弊した。しかし直近の四半期統計データによると、世界高級品市場の3分の1以上を占める中国人客のおかげで、超高級品の販売にサプライズがもたらされた。
またポンド安により、英国を訪れる外国人客が増加した。英国市場の高級品消費は、フランスを訪れる外国人客の激減による損失を補った。
市場アナリストは、中国市場の高級品の需要が大幅に増加したと指摘した。これは紛れもなく年末の朗報だが、この状況が一つの傾向になったとはまだ言えない。
中国市場の高級品の消費が激増したことには、多くの要因があると分析されている。2015年に激減したのは、上海の株価暴落と、元安が原因だった。これと比べ今年の中国経済は安定的に発展しており、欧州とアジア市場の高級品の価格差が縮小している。さらに中国政府が、国内市場での消費を刺激する措置を打ち出している。
エルメスの関係者は、中国市場の売上が増加したのは、中国人消費者の消費の意欲によるものであり、また国内購入を奨励する政府の政策とも関連していると判断した。しかし現時点で勝利を宣言するのは時期尚早だと慎重に述べた。
香港上海銀行のアナリストは、これにはさまざまな心理的要因が含まれると判断した。例えば元安、2015年11月のパリ同時多発テロによる圧力の解消などだ。米大統領選が終わり、パリ同時多発テロの1周年が過ぎれば、売上がさらに改善される見通しだ。
しかしすべての高級品がメリットを手にしているわけではない。スイス製の高級腕時計の販売は、現在も低迷している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月7日