8月から発表されている重要経済指標で中国の経済成長が改善していることが明らかになり、複数の外資系金融機関が相次いで成長見通しを上方修正している。アナリストは、中国経済の短期的リスクは後退しているとし、経済構造の改善に伴い、経済の安定剤としての消費の役割が強まるとの見方を示した。
直近の複数の重要経済指標が予想を上回ったことで、中国経済に対する市場のセンチメントが改善している。国家統計局が発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.2と、2014年8月以来の高水準となった。非製造業商務活動指数は54と、年初来の最高水準。ここ半年に渡り落ち込んでいた民間投資の伸び率は、8月に2.5%とプラスに転じ、9月は4.5%に拡大。経済回復の重要なシグナルとなった。
モルガンスタンレーは10月に発表したリポートで、2016年と2017年の中国GDP成長率見通しを、それぞれ6.4%と6.2%から6.7%と6.4%に引き上げた。モルガンスタンレー大中華圏担当の邢自強シニアエコノミストは、「中国政府の財政支援で景気が勢いづき、外負の需要も力強さを増した」との見方を示した。