UBSも、2016年の中国GDP成長率の見通しを6.7%に小幅に上方修正した。◇消費など内需の安定、◇工業生産が前年比の伸びを維持したこと、◇不動産業の影響でサービス業の付加価値が小幅に改善する見通しであること、――などがプラス材料になるとみている。UBSのアナリストは、年初来の不動産市況の力強い回復が不動産投資と工業投資の安定につながり、関連消費が活発になっていると分析する。
注目すべきは、サービス業の中国経済への寄与率が上昇し、成長の原動力となっている点だ。経済構造の改善と、サービス業と工業付加価値の安定成長に伴い、経済の安定剤としての消費の役割が強まるとの指摘もある。
国際通貨基金(IMF)は今年4月と7月に、中国の経済成長率見通しを連続して引き上げた。製造業の落ち込みをサービス業が補うというのが主な理由だ。IMFは、予想成長率の上方修正について、中国がモデル転換を成功させるのが基礎的条件だと指摘。そのうえでサービス業と消費が成長を押し上げれば、長期的な景気拡張局面はさらに持続可能だとしている。