『東洋経済オンライン』がこのほど伝えたところによると、日本の産業用ロボットメーカー大手、ファナックの稲葉善治会長は「ロボットの受注は世界的にたいへん好調。どの地域でも需要が旺盛だ」と大きな手ごたえを感じていることを明らかにした。工場のオートメーション化に欠かせない産業用ロボットは今、米国や中国を中心に自動車工場での需要が多い。その他あらゆる業界で、人件費の高騰や人手不足の解決策として、これから活用の場が広がる見通しだ。
日本ロボット工業会の発表では、2016年7-9月の出荷台数は3万7680台と、13四半期連続で前年同期を上回り、四半期ベースで過去最多だった。国際ロボット連盟は、世界のロボット出荷台数が向こう4年間で60%増えると予測している。
ファナックは現在、毎月5000台のロボットを生産しているが、最近は受注が生産能力を超える月もあり、工場は繁忙を極めている。これを踏まえ、10月に増産計画を発表。小型工作機械を生産する筑波工場の一部を、2017年4月までにロボット生産用に転換する。生産能力は2割増え、月産6000台となる見込み。さらに筑波工場の隣接地を約55億円で買収し、需要にもとづきロボット工場の建設を進める。