英ロイター通信は11月7日、中国製造業は紡織から製紙、家具までベトナムに資本を投入し続けており、近い将来にベトナムからの貿易ボーナスを享受したいと考えているとする記事を掲載した。
ベトナムは昨年、EUとの自由貿易協定(FTA)と環太平洋連携協定(TPP)を結んだ。これは同国が、GDP総計44兆ドルの市場に参入する機会を得たことを意味する。TPPが今後どのような結果になるにせよ、ベトナムの安価な工場労働力を利用すべく、中国企業はすでに先手を打っている。重要なことは、中国がまだ貿易協定を結んでいないベトナムに、中国のメーカーが工場を建てるということである。ベトナム木材林業製品協会の阮孫権主席は、「今年、すでに中国の木材企業30社以上が私に問い合わせしてきている」と話す。
2015年、中国がベトナムに投資した金額は1年前の倍、7億4400万ドルに達した。うち80%が下半期――ベトナムがEUとの自由貿易協定とTPPを結んで間もない頃――のことである。2つの協定では、紡織メーカーは当地あるいは貿易グループ内の国家の糸と染料を使わなければならない。在ベトナム中国企業から見れば、それは当地のサプライチェーンを確保しなければならないことを意味する。そのため中国天虹紡織集団は現在、ベトナム北部に4億5000万ドルをかけた工業団地を建設している。