習近平国家主席は現地時間11月20日、ペルーのリマでアジア太平洋経済協力(APEC)第24回非公式首脳会議に出席し、≪未来に向かって開拓進取し、アジア太平洋の発展・繁栄を促進する≫というタイトルの重要講話を発表した。そのなかで、アジア太平洋と世界の経済発展を促進する「中国方案」を示し、各方面から注目を集めた。
今年のAPEC首脳会議はちょうど米国政権の過渡期に開かれたため、多くの国がトランプ次期大統領のもと米国が世界に保護貿易主義を打ち出すことを懸念しており、≪環太平洋戦略的経済連携協定≫(TPP)の行方も重要なテーマとなった。TPPが本当に頓挫した場合、関係国は代替方案を改めて選択する必要があり、中国の進める≪東アジア地域包括的経済協定≫(RCEP)と≪アジア太平洋自由貿易圏≫(FTAAP)の構想がアジア太平洋各国の効率的な協力プラットフォームになる可能性がある。
「中国方案」が注目集める
中国はここ数年にわたって≪東アジア地域包括的経済協定≫(RCEP)と≪アジア太平洋自由貿易圏≫(FTAAP)を積極的に進めてきた。RCEPは東南アジア諸国連合(ASEAN)の10カ国で発起し、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた“10+6”が参加する。関税と非関税障壁の削減を通じ、16カ国統一市場の創設を目指す自由貿易協定だ。
FTAAPは、2010年の横浜APEC大臣会合で初めて打ち出され、ここ数年に米国が推し進めるTPPに中国が対抗する主要な方法・手段になっていた。
英『フィナンシャルタイムズ』は、TPPの頓挫という「空白」が中国に大きなチャンスをもたらし、「理にかなった主張により、広範なアジア太平洋自由貿易圏の設立が加速する」との見解を示した。