中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の張潔研究員は、RCEPとFTAAPのどちらも中国が積極的に関与してアジア太平洋自由貿易の新秩序を打ち立てる努力をしていると指摘。トランプ氏が米大統領選挙に勝利してから、世界には保護主義の「捲土重来」に対する懸念が広がったため、中国が地域と世界の貿易自由化の推進において主導的な役割を担うことが期待されていると説明した。
20日のペルー・リマでのスピーチで中国の習近平国家主席は、経済グローバル化を断固として進め、経済グローバル化による特恵許容の方向へ導くことにより、あらゆる形式の保護貿易主義に反対することを呼びかけた。習近平国家主席の重要講話は、中国が経済グローバル化を歓迎していることを外部に伝え、TPPと「中国方案」の間で揺れ動く国に精神安定剤を与えた。
グローバル経済の回復には当然、「中国方案」に対する米国の協力が必要だ。米ジョンズ・ホプキンス大学のマイケル・プラマー国際経済学教授は、TPPとRCEPがいずれもAPECの目指すアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の一部になると指摘。その上で、米国が中国と手を組んでFTAAPに加入すれば、双方に直接的な利益がもたらされ、大自由貿易圏をめぐる協議がグローバルガバナンスにとって改革の涼風になるとの見方を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月27日