ムーディーズは、2016年の中国経済の実質成長率が比較的高い水準を維持するとの見方を示した。中国政府が指向的な刺激策を講じて、特にインフラ分野を中心に国内の投資を後押しすると同時に、内需を促進したと指摘。短期的には、経済成長の安定が内需の拡大と製品価格の上昇につながると予想した。また、中国政府による財政・金融の刺激策の効果を踏まえ、ムーディーズは中国経済の実質成長率が高い水準で安定を維持するとみている。
ロイターがまとめた30数社の予測中央値によると、中国は10月も実体経済の穏やかな回復トレンドが続き、工業の安定成長、投資の落ち着き、健全な消費拡大を保った。中国政府発表の製造業PMIと財新製造業PMIはいずれも2年超ぶりとなる高い水準に達し、政府発表の非製造業PMIも10カ月ぶりの高水準となった。経済が穏やかに回復する兆しがますます明確となり、中国の経済成長率が年内は下がらず、通年目標を達成する見通しだ。