経済成長率の確保をベースとした中国国内の経済構造の高度化が各方面から注目されている。ムーディーズは、可処分所得の上昇と小売業の成長をもとに、中国経済の構造調整で一定の成果が上がったと分析した。消費とサービス業が製造業と輸出に取って代わり、経済成長の新たなエンジンになったと指摘。過剰な生産能力の圧縮については、一部の産業が依然として試練に直面しているものの、中国がすでに石炭や鉄鋼分野の80%で生産能力の圧縮目標を達成したとしている。
また、ムーディーズは中国経済のレバレッジ解消の進捗状況に着目している。リポートで、中国政府が10月上旬に「企業レバレッジ比率の積極着実な引き下げに関する意見」を発表し、企業部門の高レバレッジ比率の引き下げを図ったと指摘。この発表内容が中国政府による最も詳細な企業部門のレバレッジリスク対応ガイドラインになるとの見方を示した。関連政策の発表と合わせ、中国政府が企業部門の高レバレッジ比率が経済にもたらす潜在リスクを認識し、問題の解決を図る意向を示したと分析。こうした態度や政策措置は、中国政府に対する国際格付機関や投資家の信頼につながると評価した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月29日