中国国務院の李克強総理は11月29日に国務院常務会議を主宰し、「増値税改革」(営業税から増値税への切り替え)試験による企業税負担減に関する報告を聞いた上で、地方政府の既存財力を保障するために増値税の定額還付を行うことを決定した。
同会議によると、企業の大規模な構造的減税を図る増値税改革試験の全面推進は、今年の積極的な財政策の効果を引き上げると同時に供給側構造改革の目玉となり、安定成長、構造調整、就業拡大に大きな機能を発揮。税制の整備や、先端サービス業など新たなエネルギーによる成長の促進、経済のモデル転換・高度化など一挙両得となるプラス効果があった。今年5月の全面的な試験開始から各種作業が順調に進み、試験対象となった金融、建設、不動産、生活サービスという4大産業の減税規模が次第に拡大。10月末時点の累計減税額は965億元と、小分類26産業全てにおける税負担軽減という目標を達成した。
これまでの試験対象産業と従来からの増値税適用産業の増値税改革による減税額は、通年で5000億元を超える見込み。今後は試験状況をみながら、実施効果に関する第三者評価を通じて金融や建設など試験対象産業の企業に生じた問題の把握を進め、関連産業の納税政策手法を適宜検討することで、リスクコントロールと公平な制度を前提に関連措置を見直し、減税効果を広げる方針。また、重点産業に対する政策的指導を深め、企業による増値税控除システムの利用を促進し、納税サービスの改善と向上を通じて納税手続きの利便性を高める。政府は来年も政府内の無駄を省き、企業発展につながる負担減の要望に応えるため、減税・費用引き下げ政策を継続し、活力喚起、税収基盤確立、成長促進、民生保障につなげる考えだ。