東南アジアは人口が6億以上、経済発展も良好な有望市場だ。しかし2015年のEコマース販売の浸透率は3%に過ぎない。インフラ整備の立ち遅れがEコマース市場の発展を断片化させており、消費者を満足させるサービスの提供が困難になっている。
それでも、数多くのEコマース企業や電子決済サービス企業、物流企業が巨大市場に引き寄せられ、投資を加速させている。東南アジア市場での先行者利益の獲得を目指しているのだ。
世界のEコマース企業が東南アジアに進出 中国企業に勢い 現在、東南アジアのEコマース市場は依然として断片化、分散化している状態にある。ネット消費者全体の20%以上を抱えるショッピングサイトは、ほぼ皆無。たとえばシンガポールでは、市場の90%を12個のショッピングサイトが乱立して成り立っている。市場の真のリーダーが定まっていないのだ。
このようなEコマース市場の未成熟を、海外からの投資者はチャンスと捉える。先日、アリババはタイの正大集団と提携を結んだ。東南アジアで電子決済サービス「アリペイ」の使用の拡大を計画している。今年4月、アリババはシンガポールを拠点とする東南アジア最大のEコマースのプラットフォーム「Lazada」を10億ドルで買収した。アメリカのフェイスブックは今年からタイで、SNSでの電子決済機能のテストを始めた。同時に、Eコマースサイトの「フェイスブックストア」もタイでスタートさせた。アメリカのアマゾンも、2017年第1四半期にシンガポールでウェブサイトを立ち上げる計画だ。